携帯電源Anker Astro2について
2012/10/02作成
以前カイロ(暖房)機能付きの携帯電源Smart Kairo MA-566を購入しましたが、この電源にはスイッチが無く、常にUSB端子から5Vを出力しているため、満充電の状態から2か月ほどで空になってしまいました。
これではあまりに不便なため、また最近数か月の間に携帯電源の価格が大幅に低下し、海外製品なら10000mAh前後のものが2000円程度で販売されるようになりました。
日本ではCheero Power Plusなどが人気で、Cheero Power Plusについては放電テストを行った方もいるようです。
今回はあえて人気ではない製品を選び、自ら放電テストをしてみることにしました。
そして8400mAhのリチウムイオン電池を搭載したAnker Astro2を2199円で購入しました。
まず、使い勝手は良好でした。
電源スイッチはプッシュボタンですが電子制御で、USB端子に何も接続されていない状態が30秒程度続くと自動的に電源がオフになりUSB端子から出力されなくなります。
また付属のLEDライトが意外と便利です。
USB端子は2個あり、それぞれ1Aと2Aまで出力できるようですが、1A側に5Ωの抵抗を接続して抵抗の両端の電圧を測ると4.18Vでした。
USB端子と抵抗の間のケーブルが長かったこともあり、少し電圧降下が大きいですが、800mA程度までは問題ないようです。
2A側も同様に抵抗の両端の電圧を測ると4.86Vで、1500mA程度は大丈夫でしょう。
ちなみに無負荷時の2A側の出力電圧は5.29Vでした。
ケーブルと抵抗を短く配線し直し、以前行った放電テストと同様にSTM32 Primer2で抵抗の両端の電圧値を記録しました。
今回は抵抗で消費される電力が約5Wと大きいため、小型ファンを取り付けて冷却しました。
また今回は前回より電源を安定させたため、誤差は±1%程度です。
実験結果です。
実験中の室温は28℃でした。
開始から終了まで電圧の変動はほとんど無く、非常に安定していました。
この結果をもとに計算した値を以下に示します。
放電持続時間 | 5時間41分12秒 |
出力電流量 | 5.69Ah |
出力電力量 | 28.4Wh |
この携帯電源の仕様は3.7V/8400mAhであり、その電力量は31.08Whとなります。
したがって電圧変換効率は28.4Wh/31.08Wh*100%=91.5%と計算できます。
今回は1.00Aで放電したためケーブルや端子による電圧降下が大きく、それらが無視できるほど小さな電流で放電した場合、出力電力量は5.29V*5.69Ah=30.1Whで、効率は96.8%と推定できます。
効率が非常に高いため、安物の電池でよく見かける容量詐欺の可能性はほぼ無いと考えてよいでしょう。
計算上は8400mAhより大きい可能性もあり、その場合は実際の効率が低下して発熱が大きくなるはずですが、今回の実験ではAnker Astro2本体の発熱はほとんど無かったため、その可能性も低いです。
容量が大きく便利で価格もリーズナブルなので、ガジェットマニアだけでなく一般ユーザーにもお勧めしたい一品です。
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