MOMAN製充電式96灯LEDビデオライトについて
2019/09/16作成
今までカメラ用照明として高演色性LEDチップ単体をUSB電源と組み合わせて使用していたのですが、もう少しまともな筐体のものが欲しくなり、MOMAN製ビデオライトを購入してみました。
メーカー直販サイトを見ても正式な型式は載っておらず不明ですが、YouTube等にあるレビューでは「MOMAN 96LED」と呼ばれているようです。
この商品はリチウムイオン電池を内蔵しており、USB Type-C端子から充電でき、明るさ(光束に比例しているかどうかは不明)を5%~100%、色温度を3000K~6500Kに調整できます。
今回は分光測色計X-Rite i1 Pro2を用い、自作のアプリで動作させ、取得したスペクトルから色温度と演色性を測定してみました。
外観の写真です。
2015年ごろのスマートフォンと同じくらいのサイズです。
明るさ5%、色温度5000Kで点灯させてみました。
これで最弱ですが、明るすぎて写真が白飛びしてしまっています。
色温度6500Kの白色と3000Kの橙色のLEDが搭載されており、それぞれの明るさのバランスを変えることで中間の色温度を再現しているようです。
明るさ50%、色温度3000Kの条件でスペクトルを測定しました。
縦軸は絶対値が適当であり、波長ごとの相対的な強度を示しています。
橙色のLEDのみが点灯している状態で、単純にそのLED単体の発色ですが、色温度がやや低くなっていました。
背面の表示では100K単位で設定可能になっていますが、すでに100K以上ずれているので、あまり精度は期待できないと思います。
演色性はRa97であり、照明としてはほぼ違和感がない発色です。
明るさ50%、色温度5000Kの条件です。
白色と橙色の両方が点灯している状態ですが、色温度がかなりずれており、500K程度低くなりました。
明るさの比率制御は色温度を補正していない単純な線形補間なのかもしれません。
LED単体の性能が良いためか、この状態でも演色性はRa95と十分に高いです。
明るさ50%、色温度6500Kの条件です。
白色のみが点灯している状態ですが、こちらも色温度がやや低くなっていました。
現在のLEDの製造技術では色温度が高いと演色性が低くなる傾向がありますが、演色性はRa95を維持しています。
色温度の正確性は今一つでしたが、色温度を高めに設定すれば対処可能です。
演色性はどの条件でもRa95以上と十分に高く、こちらも問題ありません。
また取付性や操作性も悪くないため、カメラ用ではないハンディライト等と比べると安価ではありませんが、総じて満足度の高い製品だと思います。
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