ノートパソコンへグラフィックスカードを増設
2012/04/26作成

先日VISAデビットカードを契約したので、海外通販をしてみようと思い、以前から気になっていたPE4H-EC2Cを購入しました。
これはノートパソコンの拡張カードであるExpressCardにデスクトップパソコン用のPCI Expressのボードを接続できるものです。
ExpressCardは内部にPCI ExpressとUSBの信号をそのまま使用しているため、特殊なICやデバイスドライバ等を必要とせず、PCI Expressボード用の電源(ATX電源)さえ用意すればそのままExpressCardのデバイスとして認識して使用できます。
また、ExpressCardが搭載されていないパソコンでも内部にPCI Express Miniが搭載されていればオプション品のPM3NでPCI Expressボードが使用できます(ただしパソコンの分解や、一部の機種ではBIOSの改造が必要)。

海外のフォーラムではこれらを用いてグラフィックスカードを増設する試みがされているようです。
興味がある方はここを参考にしてください。
ただしグラフィックスカードを増設する場合はある程度の知識と英語力が必要な作業なります。
このページではそれらの作業について(面倒なので)説明しませんのでご了承ください。

PE4H-EC2C、PM3N、mini HDMIケーブル

とりあえずPE4H-EC2C、PM3N、追加のケーブル(mini HDMI)を送料込みで150USD(約12300円)で注文しました。
購入はサイトからPayPalを利用し、5日ほどで到着しました。

PE4H-EC2C

PE4H-EC2Cを組み立ててみました(といってもケーブルをつなぐだけですが…)。

PE4H-EC2C、GeForce GTS 450

GeForce GTS 450を取り付け、適当な箱に入れてみました。

Pavilion dv5/CT、GeForce GTS 450

Pavilion dv5/CTのExpressCardスロットに接続した様子です。
かなり不格好ですが、PE4H-EC2C自体が一般利用を想定せず実験用の製品として販売されているので仕方ありません。

残念ながらこのままでは起動しませんし、起動後に取り付けても動作しません。
一般的にノートパソコンのBIOSはPCI Express等のデバイスへのメモリマッピング機能が貧弱で、グラフィックスカードのように大量のメモリ空間を必要とするデバイスを扱えないためです。
デバイスのメモリマッピングを再配置し、グラフィックスカードのためのメモリ空間を確保しなければなりません。
BIOS起動後のWindowsブート前にSetup 1.xと呼ばれているツールを使用すると解決できる場合があるそうです。
私はこれをUSBメモリに入れて起動し、無事に使用できるようになりました。

このままだと別途外部のディスプレイが必要になります。
グラフィックスカードに外部のディスプレイが存在するように見せかけるための治具を作成しました。

VGAダミープラグ

DVI-I VGA変換アダプタを用意し、VGA側の穴に写真のように100Ωの抵抗を挿入しました。
GPUによる分散コンピューティングの利用者の間では有名な、いわゆるVGAダミープラグです。

VGAダミープラグ、グラフィックスカード

この状態でDVI側をグラフィックスカードに接続しました。
自動的に認識されない場合はWindowsの解像度の設定からディスプレイを手動で追加してください。

Windows Vista以降のWDDMというデバイスドライバの機能により、一方のグラフィックスに接続されたディスプレイに他方のグラフィックスの処理の結果を表示する際に速度の低下が抑えられ、増設したグラフィックスに処理させてノートパソコンにゲーム画面を転送して表示することが現実的になってきました。
ただし画面を転送するとバスの帯域を圧迫し、全体的に性能が下がるので、外部のディスプレイが用意できる場合はそちらを利用することをお勧めします。
実際にいくつかのベンチマークを行ってみました。

内蔵(GeForce 9600M GT)増設(GeForce GTS 450)
機種Pavilion dv5/CT
CPUCore 2 Duo P8700
メモリPC2-6400 8GB
OSWindows 7 Professional x64 SP1
ドライバVerde 295.73
3DMark06(解像度1280x1024)41515248
Final Fantasy XIV オフィシャルベンチマーク(Low設定)8551734

いずれのベンチマークもデフォルトの設定で行いました。
費用に見合う性能向上があるとは言い難いですが、多くの場合は性能が上がるようです。

3DMark06では純粋にグラフィックカードの性能を測るはずですが、その性質上、バスに負荷をかけるため、ExpressCardのデータ転送速度がPCI Express 1.0 x1相当で一般的なグラフィックカードの1/32しかないことが原因でスコアがあまり伸びなかったと考えられます。
なお、3DMark06は処理するグラフィックスの変更やウィンドウモードへの変更ができないため、増設側で描画した結果はノートパソコン側には表示できません。

Final Fantasy XIVではより一般的なゲームでの性能を測ることができますが、ExpressCardのデータ転送速度の低さや、増設側からの画面の転送による帯域の圧迫にもかかわらず、増設側で約2倍のスコアが得られました。
Final Fantasy XIVではウィンドウを移動すれば増設側で処理した画面をノートパソコン側に表示できます。

一部のゲームでは処理を担当するグラフィックスを選択できますが、そうでない場合は増設側をメインのディスプレイとして設定し、そのゲームのウィンドウをノートパソコン側に移動することで実現できます。
ただしVGAダミープラグを使用すると増設側のデスクトップが見えないので、適当なソフトを使用してください。
ウィンドウの移動は、Altキー+Tabキーでゲームのウィンドウを選択し、Altキー+Spaceキーを押した後Mキーを押し、マウスでドラッグすれば、見えなくても一応可能です。

ちなみにUSB 3.0増設ボード等のグラフィックスカード以外のボードでは使用するメモリ空間が十分に小さいので、Setup 1.x等のツールは特に必要なく、デバイスドライバさえあれば起動中に接続しても問題なく動作しました。
パソコンを普通に利用する方には全くお勧めできませんが、デスクトップパソコンではなくノートパソコンの改造にこだわりがあり、改造に挑戦してみたい方は是非お試しください。


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